桜月流美剱道の美剱舞はヤマト歌と剱振りによって互いの心を結い和し生命力にあふれた調和を生み出す技芸です。
400年の空白の時を経て、「能」「歌舞伎」に次ぐ芸道として、新たに現れた日本文化。それが、桜月流美剱道です。当流の美剱舞は、ヤマト歌の情感と剱振りの美しい軌跡と交錯のみをもってして日本の美しい風情を物語る技芸です。
その動きは自然界のリズムから生まれた音楽的呼吸感に満ち、剱を用いた技芸でありながら、相手の虚をついて崩す武術ではなく、お互いの実をついて活かし合う舞の技です。また、男女のジェンダーに関わらず優美さと激しさを発揮できる剱振りは当流の大きな特長であり、性差なくこの芸道を究めていくことができるという点は、従来の日本の伝統芸能には類を見ない革新と言えます。
その人本来が持っている輝かしい生命力・無垢な発声・さきはひ(幸ひ)の心を呼び覚まし、身体にも心にも常若(とこわか)を獲得すること……。侘び・寂び・枯れ、といった削ぎ落としていく美学の中から自己を見いだす求道ではなく、自らの明るくイキイキとした生命を謳歌讃美することに主眼をおいた美剱舞は、年齢や性別、国籍をも超えて、この現代という時代に求められています。
その、生命に対する讃美のルーツは古代日本の中にありました。これからの世界、未来を明るくするのは、心と身体のアンチエイジング=常若です。
歌に導かれたツルギが舞となった時、ツルギは武器ではなく調和の器となりました。これこそが、桜月流美剱道です。
やまと言葉を独特の旋律にのせて歌う“ヤマト歌”と、自然界のリズムから成る呼吸で振り抜く美しい剱との融合。いにしえの剱には、人と人・人と自然を調和させるための『魂の徳』を発動させる力があったと伝えられています。
桜月流美剱道の美剱舞は、ヤマト歌と剱振りによって互いの心を結い和し生命力にあふれた調和を生み出す技芸です。
失われゆく“やまと言葉”と“剱”の精神を復興し、そこに新しい芸術性の息吹を加えることによって美剱舞は生まれ、その舞は日本の美しい風情を鮮烈に映し出す舞となりました。
桜月流美剱道はこれから先の何世代にもわたって受け継がれて行く新しい日本の芸道となることを目指しています。
古えの時代、両刃であった原初の剣は木や石で出来ており、敵に刃を向けると自分にも刃が向く事から逆に平和のシンボルとされていたと伝え聞く。剣は、人と自然を調和させるための聖なる器。縄文時代より祭祀の道具として大切に扱われてきた。
祭祀とは、太陽に月に、雨に花に、収穫に恵みに・・・、祈りを捧げること。心に花が咲き続けるような幸いなる状態を願って、人々はいつの世も歌い舞いして斎(いわ)ひ、祈った。剣は、そのような日本の心の原風景の中にある道具。もとは、「ツルギ」と呼ばれていた。
桜月流では、特に、原初の両刃の「ツルギ」の精神性を大切に扱っていることから、「剣」ではなく「剱」の文字を使っている。